林内科

大阪府吹田市
林内科 林 孝和 院長先生の体験談
三栄メディシス社のPC心電計を初体験して

国立循環器病センター研究所(心臓生理部)から(財)日本心臓血圧研究所附属榊原記念病院(循環器内科)を経て、大阪。江坂において3人で兄弟開業したのが23年前。

循環器科を担当する私は、一般的な心電計のほか、トレッドミル負荷用の心電計、24時間ホルター心電図解析機(センター併設)、携帯用のブック型心電計(乾電池式、1Ch)を当院で使用している。

先日、日常的に使用している心電計の液晶画面に波形が見えなくなり、PCのモニターと違って部品の交換は不可能で、全面的に交換(買い替え)が必要とのことで、最低でも50数万円~数百万円の見積もりとなった。

各社の心電計の性能とデモ、見積もりをしてもらったが、価格の割には性能に満足を得られず、昔の機能と大差ない。アルゴリズムの向上と精度が増したと言っても、循環器を専門とする医師にとっては、もとからコンピュータの自動診断などを参考にすることはなく、大切なことは正確な多チャンネルの心電図記録および過去の心電図との比較である。

「渡りに船」とも言えるタイミングで現れたのが、今回のPC心電計のモニター募集の案内。

以前からPC心電計のことは知っていたが、電極→解析・記録→表示・印刷を接続する煩わしさと操作ミス、ならびに作業時間を理由に見向きもしなかった。

実際、内外数社のPC心電計のデモをしてもらったが、高性能のパソコンを使ったマウス操作とクリックが作業中に多く、画面の切り替えが幾度もあり、6~12誘導の同時記録を6チャンネルで時系列表示するのが精一杯の機能である。

ところが、このPC心電計の操作性は、既製品の心電計と何ら変わらないどころか、むしろB5~A4ノートパソコンの画面は数倍の広さで心電図波形を確認出来、1画面で全ての操作をやってのけたのである。ほとんどの作業はF(ファンクション)キーを押すだけなのだ。

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そして不整脈を専門とする私にとって何よりも有難いことに、12誘導同時記録・保存と表示・印刷するソフトを有している。また、高価な熱感紙を使用せず、通常のコピー用紙で自黒印刷すれば、数10分の1に紙代節約が出来る。

自宅も含めて、どの部屋でも正面・左右に3台を備え(同時操作)、Me、XP、Vista、7のノートパソコンを計30台弱も持っている私でさえ、最高機能のパソコンを心電計のみに特化するのはもったいない気がしていたところ、竹内社長がソフトを改良して、一番使用頻度の少なくなったVistaを使えるようにしてくれた。つまり、XP以降なら自前のノートパソコンが利用可能となりそうなのだ。

しかし、私が最も望んでいたものは、昔から、イントラネットによる院内構築である。

検査室で撮った心電図を即座に診察室で見ることにより、ペーパレスとなる以上に、急病患者の診断に役立ち、以前の心電図波形との詳細な比較は誤診や見逃しの防止となる。

このために、勧められたネット対応のハードディスク(ルーター接続用)を、量販店で1万5千円弱で買っただけに過ぎないが、検査室での心電図波形は即座に診察室のパソコンで見ることが出来、過去の心電図との比較も容易で、倉庫に取りに行く手間も省けて助かる。

また、医局でのカンファランスにも役立つ。

そして、何とこのシステムはわずか数日で完成出来た。

印刷する場合はA4用紙1ページで仕上がってくるシンプルさである。

PDFまたはJPEGで保存された心電図は、紹介・転送先への情報提供を迅速にさせてくれるであろう。

これらは全て、既存の無線LANを使って行うので費用の追加は生じない(通常の無線LAN内臓ノートパソコンと無線機能付きプリンターを利用するだけ)。

近い将来は院内構築で共有する心電図波形はPDFやJPEGでなく、元波形にして、自動診断の結果を修正・保存する機能を持たせ、診察室や医局で作業出来ることを期待したい。

ところで、問題があるとすれば、我々循環器の専門医師には関係ないことだが、自動解析・診断の精度(アルゴリズム)が弱そうなこと。モニター画面上の自由な心電図波形描写に対して印刷パターンは限られており、少し見にくい感がある(改良してくれるそうです)。

そして胸部誘導心電図の感度が各誘導毎に自動切り替えされる能力は、却って判読しづらくしているので、V1~V6の感度は一括変換にして欲しい。

実際に患者の胸部に心電図電極を装着する際には、フレキシブルな電極コード保持アームが不可欠となるが、これは既存のアームをそのまま利用しており、特に不自由なく、操作性や記録に要する時間に差は感じない。

また、米国の患者向きに作られた電極はサイズが大きめで、胸部電極に出っ張りがあることによる接触のトラブル、そしてC5とC6の配色に関しては改良中らしい。

当院では当面の対応として、既存の電極部品(小柄な日本人向きの3mmの穴)を拡張(4mm程度に)して接続使用している。

もはや既製品の心電計が無用の長物に思えてきたのは、このPC心電計を使用した医師の共通の感想であろう。

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Comment

林院長先生には、たくさんのアドバイスを頂き、とてもうれしく思います。
まず私が驚いたのは、ビルのエレベータを降りた途端、とても気持ちが落ち着く雰囲気を感じました。写真の通り、白い石を敷き詰めた中庭風のコーナー。ライティングがとても心地良かったです。

さて、心電計についてですが、頂戴しましたご意見は心電ソフトウェアのバージョンアップに反映させて頂きますので、少々お待ちください。
このPC心電計は、心電波形の描画性、視認性、再現性、そして操作性を重視しました。
解析精度の向上については常に改善作業を行ってまいります。

心電誘導コードのC5,6の色は、暗い場所では認識しにくいようなので、もう少し識別しやすい配色にするように、コードの会社に変更を依頼しました。電極については、21mmφのサイズの電極に変更しました。ネジ式を取りやめ、差し込み式にすることで、電極同士の接触を回避できます。既に納品済の先生には、無料で交換をさせて頂く予定です。
今後ともご指導よろしくお願いいたします。

三栄メディシス 代表取締役 竹内仁史

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