大阪府:林内科
心電図パソコンのコードレス化は救急医療における心電図計のまさに「産業革命」と言って過言でない

大阪府:林内科<br>心電図パソコンのコードレス化は救急医療における心電図計のまさに「産業革命」と言って過言でない

大阪府吹田市
林内科 林 孝和 院長先生の体験談
ECG Explorer 500X2を使用して

三栄メデイシス社のパソコン心電計500Aを購入し、その心電図データを無線LANで保存することにより、院内のいかなる場所からもパソコンを通じて心電図を閲覧出来るだけでなく、最も重要である過去の心電図との比較を容易にしてくれたことの有難さを声にしてから3年弱。実際に前回受診時の心電図を事前にスタッフが準備する必要はなく、PC画面上で比較検討と経時変化も追跡は容易である。そして患者急変時には必要な心電図を選んで入院先の病院にFAX送信すれば情報提供も簡単に済んでいる。

今回改良された500Xで心電図波形が安定する時間が短縮されたことは便利であるが、驚いたことは、以前に指摘した電極コードの問題も見事に改良され、胸部誘導1本と四肢誘導2本に集約されたスマートな電極リードは飛躍的に改善していた。これは確かに救急室やCCU、健診機関など頻回に心電図記録を要する医療現場に大きな恩恵をもたらしてくれる。つまり救急外来における心電計は患者と直接コードでつながれており、救急スタッフの立ち振舞いを制限して、迂回や反対回りなどを余儀なくされることが多く、必要な処置も遅れがちになる。またCCUにおいては、発作時や定時の心電図記録が頻回に実施され、その都度、記録部位がずれないようにマジックで印をつけているのが現状である。この際にも必要な処置の妨げになることが多く、ベッドサイドにおける大きな物品であり電源コードとつながれた心電計自体が邪魔な存在である。この心電計のリードをコードレス化することは、救急室のスペースの確保ならびにベッドサイドにおける処置が自由自在となり、また少ない人員下では胸部の電極パッドを使用すれば3本の電極リードと手帳型の心電計を患者の横に置くだけで、常時無線で送られてくる心電図波形を操作中の電子カルテでも見ることが可能となる。つまり周辺にあるすべてのパソコンからも心電図記録を開始したり比較評価ができるという大きなメリットをもたらし、看護師らのスタッフはより重要な作業に専念出来る。

このような無線(ブルートゥース)による心電図パソコンのコードレス化は救急医療における心電図計のまさに「産業革命」と言って過言でない。

また在宅医療における狭い空間と少ない人員による操作性を憂慮すれば、このBluetooth心電計の軽装備と簡単操作はまさしく往診の七つ道具に欠かせない存在となる。

一方、追加機能となったミネソタコードに関しては、診断基準が複雑で変更が加えられて来た経緯もあり、日頃からミネソタコードを使用していないと利用が難しいと思われ、心電図所見とミネソタコード分類の表示を並べたり、ミネソタコードの辞書機能も表示させるなどの工夫が必要であろう。

そしてペースメーカースパイクを判りやすく色表示した点に関していえば、ペースメーカー患者を扱わない医療施設においては価値の少ない機能かもしれないが、実際のペースメーカー心電図記録を見て分かるように、ペースメーカー外来を担当する循環器専門医にとっては、ペースメーカースパイクを区別しながらデバイダーを使って心電図の正確な時間とタイミングを計測する労力が半減するメリットは非常に大きい。さらに近年複雑化しているペースメーカーが正常に作動しているかどうかを判断する上で、AスパイクとVスパイクを区別して色分けして表示出来るなら、failureの診断に役立ち、世界のペースメーカー患者と担当医にとって大きな福音となるため、さらなる開発に向けて竹内社長らの努力を期待したい。

ところで今回の500Xを見て驚かされるのは、短期間における心電計のソフト面のみならず、電極やリード線などの周辺機器を含めたハード面の改善と開発スピードのすばらしさであり、これまでにあった日米欧の老舗企業とは異質の開発力を見せつけた。聞くところによると、竹内社長はパソコン心電計の開発拠点を中国に置いて、頻回に訪中したそうで、あっという間に世界に追いつき追い越してしまった。世界の4大発明の地である中国において、今世紀は漢民族に心電計の産業革命を起こさせた感じがする偉業である。

COMMENT

林院長先生は、以前の「ECG Explorer 500A」のユーザーズボイスの第1号に引き続き、今回「ECG Explorer 500X」の体験談でも第1号として書いてくださいました。先生にはいつもたくさんのアドバイスをいただいており、当社の心電計開発のご意見番として、とても心強い存在です。
この度は「心電計の産業革命」という素晴らしく、当社として大変名誉なお言葉で「ECG Explorer 500X2」の有用性を語ってくださいました。特に救急医療でのBluetoothでの使用方法については、当初私どもがBluetoothを用いた無線で使用する心電計として想定していた使用方法の一歩先をいく考えを教えていただきました。先生の考えから「ECG Explorer 500X2」は、救急医療や在宅医療での現場で、今までの心電計にはなかった、より便利な製品であることを確信することができました。
また、掲載している写真は、先生から「みんな一緒に写真を撮ろう」と言っていただきまして、竹内社長と曾健(中国企業との翻訳担当)と私もご一緒させていただきました。
これからも「心電計の産業革命」というお言葉に恥じぬよう、革命を起こし続けれるような製品をつくれるように開発に力を注いでいきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。